説明
古代の異教の神々や悪魔を召喚する魔導書です
「アルマデルの魔導書」は、フランス語とラテン語で書かれた写本(パリのアルザナル図書館 MS88)から、サミュエル・リデル・マグレガー・メイザース(1854-1918)が翻訳したものです。メイザースは「黄金の夜明け団」の創設者のひとりであり、「ソロモン王の大きな鍵」「ソロモン王の小さな鍵(ゲーティア)」「術師アブラメリンの聖なる魔術の書」など、数多くの重要な魔術書の版を手がけました。アルマデルの魔術は、大天使やオリンピアの霊と呼ばれる惑星霊、そして悪魔のシジル(印章)をもちいて、天使や悪魔の知識、古代の叡智、聖書の秘密などを得ることができるというものです。
「アルマデルの魔導書」のオリジナルは、17世紀の書物とされていますが、作者などの詳細は不明です。ヨーロッパでは魔術が宗教的にも法律的にも禁止されていたため、多くの作品が写本のまま流通したり、出版されても架空の著者名や出版社を載せて闇市場で売られたりしました。そのため、作者を正確に特定できないことは珍しくありません。また、著者名として伝説上の権威者の名義が使われることもよくありました。
また、「アルス・アルマデル」という魔導書は、レメゲトン(ソロモン王の小さな鍵)の第四部の名前です。こちらは天上の四方(四極)にある20人の天使を召喚し、願望をかなえてもらうという魔術で、同じアルマデルが使われていますが別の書物となります。アルマデルはおそらく人名であろうと言われていますが詳細は不明です。当時、アルマデルという名前が権威として知られていたため、採用された可能性もあります。
メイザース版「アルマデルの魔導書」(本書)の冒頭では、すでに魔法円などの説明が終わったかのような書き出しで始まっています。魔導書というのはだいたい内容の説明が先にあり、最後に召喚方法や霊の退去という流れが一般的ですが、本書は逆になっています。これは、オリジナル版ではタイトルが最終ページにあったためメイザースが入れ替えたようです。
また、似たような名前で16世紀には「魔術のアルバテル」という本もあり、こちらもオリンピアの霊の召喚魔術が紹介されています。この書物は本来全部で九巻構成であったようなのですが、最初の一巻しか残っていません。あるいは最初からその部分だけしか書かれなかった可能性もあります。イサゴーゲ(入門)と呼ばれるその部分には、オリンピアの霊と呼ばれる七惑星に対応した霊の紹介と召喚方法が紹介されています。
本書は「アルマデルの魔導書」と「魔術のアルバテル」の2冊が収録されています。
本書の召喚魔術はキリスト教的な魔術であり、聖書の引用も多いにもかかわらず、召喚する霊には、古代の異教の神々や悪魔が含まれているのが興味深いところです。
ここで紹介する霊にはすべてシジルと名前が掲載されていますので、魔術による召喚が可能です。本書があなたと霊をつなげる懸け橋にならんことを。
■商品仕様
サイズ:H210 × W148 × D25[mm]
総ページ数:229ページ
著者:中村 心護



















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